家族での外国語学習、挫折しかけたら?わが家が乗り越えた継続のヒント
家族で外国語学習を始めようと決意したものの、「何から手をつけて良いか分からない」「子供が飽きてしまったらどうしよう」「忙しい毎日の中で、本当に続けられるだろうか」といった不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。わが家も同じような悩みを抱えながら、家族での外国語学習を続けてきました。
この記事では、わが家が家族での外国語学習において直面した具体的な困難と、それをどのように乗り越えて継続してきたのか、そのヒントをお話しします。これから家族学習を始める方、あるいはすでに始めているけれど少し立ち止まってしまっている方の、小さな助けになれば幸いです。
家族での外国語学習、わが家の始まりと最初のつまずき
わが家が家族で外国語学習を始めたのは、上の子が小学校に上がる少し前のことでした。夫婦ともに海外旅行が好きで、将来的に子供たちにも異文化に触れる機会を与えたい、という漠然とした思いがあったのがきっかけです。まずは、子供たちが興味を持ちやすいように、楽しく英語に触れることを目指しました。
具体的には、英語の絵本の読み聞かせや、子供向けの英語アニメを見せることからスタートしました。はじめは子供たちも物珍しさからか、目を輝かせて見てくれていたのですが、しばらくすると「もうやだ」「日本語がいい」という言葉が飛び出すようになりました。私自身も、仕事から疲れて帰った後に、英語の絵本を読む気力が湧かなかったり、子供が集中してくれないことにイライラしてしまったりと、なかなか計画通りにはいきませんでした。
「やはり、家族で続けるのは難しいのだろうか」「これで良いのだろうか」と、たった数週間で挫折しかけそうになったのが正直なところです。
わが家が直面した3つの壁と、その乗り越え方
最初のつまずきを経験し、わが家は「どうすれば楽しみながら続けられるか」を真剣に考えるようになりました。試行錯誤の末、いくつかの「壁」を乗り越えるためのヒントを見つけました。
1. 子供の「飽き」や「集中力切れ」への対応
子供は興味の対象が移り変わりやすいものです。無理強いをすれば、かえって外国語への抵抗感を生んでしまうと気づきました。
- 完璧を目指さない、遊びと結びつける: 毎日決まった時間に集中して学習することにこだわらず、日常の遊びや生活の中に自然に外国語を取り入れる工夫をしました。例えば、お風呂に入りながら英語の童謡を歌ったり、おもちゃの名前を英語で呼んでみたり。
- 「学習」ではない「体験」に: 特定の教材に取り組む時間を短くし、その代わりに英語のアニメや歌をBGMのように流す時間を増やしました。これは「英語を学ぶ時間」ではなく「英語に触れる時間」と捉え直すことで、子供も親もプレッシャーを感じにくくなりました。
- 子供の興味を尊重する: 子供が恐竜に興味を持てば恐竜の名前を英語で教える、車が好きなら車のパーツを英語で言う、といったように、子供の「好き」を学習の入り口にしました。これにより、子供自身が「もっと知りたい」という気持ちを持つようになりました。
2. 親の「モチベーション維持」と「時間確保」の困難
子供が小さいうちは、親が学習の主導権を握る必要があります。しかし、親自身のモチベーションが下がることもあれば、日々の忙しさの中で学習時間を確保するのが難しいことも多々あります。
- 「小さな達成感」を積み重ねる: 「今日、子供が新しい単語を一つ覚えた」「英語の歌を一緒に歌えた」といった、些細なことでも記録するようにしました。これらの小さな成功が、次の学習への原動力となりました。
- 「ながら学習」と「ルーティン化」:
- 朝食の準備中に英語のニュースを流す、通勤中にポッドキャストを聞くなど、他のことをしながら外国語に触れる「ながら学習」を取り入れました。
- 食卓での「いただきます」「ごちそうさま」を外国語でも言ってみる、寝る前に必ず英語の絵本を読む、といった「小さなルーティン」を設定しました。これにより、特別な時間を作らずとも、毎日外国語に触れる機会を確保できるようになりました。
- 完璧主義を手放す: 「毎日〇時間学習する」という高い目標を掲げるのではなく、「週に3回、15分でもいいから触れる」というように、実現可能な目標に修正しました。無理なく続けることが何よりも大切だと実感しました。
3. 家族間(夫婦間)の協力と意見の調整
夫婦のどちらかが積極的に、もう一方が消極的という状況だと、なかなか学習は続きません。わが家も、片方が熱心になっても、もう片方がついてこられないという時期がありました。
- 役割分担と目標の共有: まず、なぜ家族で外国語学習をするのか、その目的を夫婦で再確認し、共有しました。その上で、「絵本は私が読む」「アニメの選定はパパが担当」といったように、できる範囲で役割分担を決めました。
- 「家族のイベント」として捉える: 学習を「やらなければならないこと」ではなく、「家族で一緒に楽しむイベント」と捉え直すことで、お互いの負担感を軽減しました。週末に外国語の歌を歌いながらクッキングをするなど、楽しみながら取り組める工夫も有効でした。
- 正直な気持ちを伝え合う: 「今日は疲れてて、どうしてもやる気が出ない」といった正直な気持ちを伝え合い、無理強いしないことも大切です。お互いの状況を理解し、協力し合う姿勢が、長く続ける秘訣だと感じています。
家族学習を続けて見えた、具体的な成果
これらの工夫を続ける中で、目に見える成果も少しずつ現れてきました。
- 子供たちの変化:
- 簡単な単語やフレーズを自然と口にするようになりました。
- 海外のアニメや絵本に対する抵抗感がなくなり、楽しんで内容を理解しようとする姿勢が見られます。
- 「これ、英語でなんて言うの?」と、自分から興味を持って質問してくるようになりました。
- 家族のコミュニケーションの変化:
- 「今日の夜ご飯、英語で言えるかな?」「この色、英語だと何色だっけ?」といった会話が日常的に増え、家族間のコミュニケーションが活発になりました。
- 外国語学習が、家族共通の話題となり、一体感を生むきっかけにもなりました。
- 親自身の成長:
- 子供に教えるために、私たち親自身も改めて学習するようになり、リスニング力や語彙力が向上しました。
- 何よりも、子供と一緒に新しいことを学ぶ喜び、成長を見守る楽しさを再認識できました。
これから家族学習を始めるあなたへ
家族での外国語学習は、決して簡単な道のりばかりではありません。時には「もうやめたい」と思うこともあるでしょう。しかし、わが家の経験から言えるのは、「完璧でなくてもいい」「焦らない」「家族で楽しむことが一番」ということです。
大きな目標を立てることも素晴らしいですが、まずは「今日、少しでも外国語に触れてみよう」という小さな一歩から始めてみてください。子供の反応が薄くても、計画通りにいかなくても、気にすることはありません。諦めずに、ご家族にとって無理のないペースで、楽しみながら続けることが、何よりも大切な「継続のヒント」です。
あなたの家族の外国語学習が、実り多く、楽しいものになるよう、心から応援しています。