忙しくても大丈夫!わが家の家族外国語学習、時間を生み出す具体的なコツと実践例
家族で外国語学習を始めたい、そう考えていらっしゃる方は少なくないでしょう。しかし、幼いお子さんを抱え、仕事にも追われる日々の中、「一体どこに学習の時間があるのだろう?」と途方に暮れてしまう気持ちもよく分かります。わが家もかつて、まさにその状態でした。
共働きで、当時5歳と3歳の二人の子供がいた私たち夫婦は、日々の生活で精一杯。外国語学習への関心はあれど、具体的に何から始めて良いか分からず、何よりも「時間がない」という大きな壁にぶつかっていました。この壁をどのように乗り越え、家族での外国語学習の時間を生み出していったのか、わが家の試行錯誤と具体的な工夫についてお話しいたします。
学習を始めたきっかけと、わが家が直面した「時間がない」という壁
私たち夫婦が家族での外国語学習を意識し始めたのは、子供たちが成長するにつれ、将来の選択肢を広げてあげたいという思いが強くなったことがきっかけです。私自身、学生時代に英語学習で苦労した経験があり、子供たちには早い段階から外国語に親しんでほしいと考えるようになりました。
しかし、いざ始めてみようと思っても、現実は厳しかったのです。平日は仕事から帰宅後、夕食、入浴、寝かしつけであっという間に夜が更けます。週末も、家族で出かけたり、たまった家事をこなしたりで、まとまった学習時間を確保することは至難の業でした。特に、幼い子供を相手に、親も疲れている中でどうやってモチベーションを維持するのか、そして最も大きな課題はやはり「時間」でした。
「せっかく始めても、すぐに続かなくなるのではないか」「特別な教材や高額なスクールに通わないと意味がないのではないか」といった不安も常に付きまとっていました。
スキマ時間を賢く活用する「ながら学習」のすすめ
時間がない中で最初に取り組んだのは、日々の生活の中に潜む「スキマ時間」を見つけ出し、外国語学習の時間に変えることでした。まとまった時間は取れなくても、5分や10分ならば意外と見つかるものです。
1. 朝の時間を有効活用する
子供たちがまだ寝ている早朝、夫婦どちらかが先に起きて、コーヒーを片手に20分だけ学習する時間を設けました。主に、オンライン英会話の短いレッスンを受けたり、前日に読んだ英語の絵本を復習したり、語学学習アプリで単語やフレーズの確認をしたりしていました。この時間は、誰にも邪魔されない貴重な自分だけの学習時間となり、一日の始まりに少しだけ頭を英語モードに切り替えることができました。
2. 家事や移動中を「ながら学習」の時間に
食器洗いや洗濯物を畳むなどの家事をしている間は、英語のラジオやポッドキャスト、子供向けの英語の歌を流していました。これは「聞く」能力を高めるだけでなく、子供たちも自然と英語の音に触れる機会となりました。
また、車での移動中は、必ず英語の童謡やストーリーのCDをかけていました。最初は耳慣れない様子でしたが、何度も聞くうちに子供たちも口ずさむようになり、自然とリズムや発音に親しんでいきました。この「ながら学習」は、意識的な学習と違い、負担感が少ないため、無理なく続けることができました。
3. 入浴時間も学習タイムに
意外と効果的だったのが、入浴時間です。子供たちと一緒にお風呂に入っている間、英語の数を数えたり、体の部位を英語で言ってみたり、簡単な形容詞(例: hot, cold)を使って会話を試みたりしました。湯船に浸かりながら絵本の読み聞かせを英語で行うこともありました。リラックスした状態での学習は、子供たちにとっても楽しい時間となり、無理なく英語に触れることができました。
ルーティン化と家族の協力体制で学習を習慣に
スキマ時間の活用だけでなく、学習を習慣として定着させるためには、ルーティン化と家族の協力が不可欠でした。
1. 「英語タイム」を生活の中に組み込む
毎日決まった時間に学習時間を設けることで、家族全員が「この時間は英語の時間」と認識するようになりました。わが家では、寝る前の絵本読み聞かせの時間を、週に3回程度「英語の絵本タイム」に充てました。最初は日本語の絵本に比べて反応が薄いこともありましたが、親が楽しそうに読み聞かせる姿を見せることで、徐々に興味を持つようになりました。
また、週末の午前中、30分だけ親子で英語のアニメーションを一緒に見る時間も設けました。この時間は、親も一緒に登場人物のセリフを真似したり、内容について英語で簡単な質問を投げかけたりすることで、ただ受動的に見るだけでなく、能動的な学習へと繋がるよう工夫しました。
2. 夫婦での役割分担と協力
学習時間を捻出するためには、夫婦の協力が不可欠です。例えば、私が朝学習している間は夫が子供たちの朝食の準備を、夫が学習したい時には私が家事を担当するなど、お互いの時間を尊重し、支え合う体制を築きました。これは、学習継続の大きな支えとなりました。どちらか一方に負担が偏ると、長続きしないと感じたからです。
困難を乗り越えるための工夫と、わが家が学んだこと
もちろん、常にスムーズに進んだわけではありません。子供が飽きて集中しない、親も疲れてやる気が出ない、といった困難は日常茶飯事でした。
このような時、私たち夫婦は以下の点を意識して乗り越えていきました。
- 完璧を目指さない: 毎日欠かさず学習することよりも、細く長く続けることを目標にしました。できなかった日があっても、「明日またやればいい」と割り切ることで、精神的な負担を減らしました。
- 楽しさを優先する: 子供たちが「楽しい」と感じることが最も大切だと考え、学習をゲーム感覚で取り入れたり、ご褒美を用意したりしました。英語の歌を歌いながら一緒に踊ったり、英語のしりとりをしたり、教材も子供が興味を持つキャラクターのものを選んだりしました。
- アウトプットの機会を作る: 親自身も、学習したフレーズを積極的に子供に話しかけたり、オンライン英会話で実践の場を設けたりしました。子供が知っている単語が増えたら、それを使って短い会話を試みるなど、小さな成功体験を積み重ねることがモチベーション維持に繋がりました。
家族での外国語学習がもたらした変化と成果
これらの地道な努力の結果、わが家の外国語学習は確実に前進しました。
言語能力の劇的な向上というよりは、まず「英語は楽しいもの」「当たり前にあるもの」という感覚が子供たちの中に根付いたことが一番の成果だと感じています。子供たちは、英語の歌を自然と口ずさみ、簡単な単語やフレーズを聞き取れるようになりました。英語の絵本を前にしても、以前のような抵抗感はなくなり、むしろ自分から「これ読んで!」と持ってくることも増えました。
また、親である私たちも、子供たちと一緒に学ぶことで、新たな発見や喜びを感じています。夫婦間のコミュニケーションも、「今日はこんな英語を学んだよ」「子供がこんな反応をしたよ」といった話題が増え、共通の目標に向かって協力し合う絆が深まりました。
これから始める方へのアドバイス
「忙しくて時間がない」という状況は、家族での外国語学習を始める上で大きな壁に感じられるかもしれません。しかし、わが家の経験から言えるのは、完璧を目指さず、日々の生活に小さな工夫を凝らすことで、学習の時間を作り出すことは十分に可能だということです。
- まずは、5分でも10分でも、無理なく続けられる小さな習慣から始めてみてください。
- 「ながら学習」や「ルーティン化」を意識して、生活の中に外国語を取り入れる工夫をしてみてください。
- そして何よりも、家族みんなで楽しむことを大切にしてください。
一歩踏み出せば、きっと新しい世界が広がるはずです。わが家もまだまだ学習の途中ですが、これからも家族で一緒に学び続ける中で、さまざまな発見や喜びを分かち合っていきたいと思っています。皆さんのご家庭でも、ぜひ「わが家流」の時間捻出術を見つけて、家族での外国語学習を楽しんでください。応援しています。